平成22年春期試験問題 午前Ⅰ 問27

"技術のSカーブ"の説明として,適切なものはどれか。

  • 技術の期待感の推移を表すものであり,黎(れい)明期,流行期,反動期,回復期,安定期に分類される。
  • 技術の進歩の過程を表すものであり,当初は緩やかに進歩するが,やがて急激に進歩し,成熟期を迎えると進歩は停滞気味になる。
  • 工業製品において生産量と生産性の関係を表すものであり,生産量の累積数が増加するほど生産性は向上する傾向にある。
  • 工業製品の故障発生の傾向を表すものであり,初期故障期間では故障率は高くなるが,その後の偶発故障期間での故障率は低くなり,製品寿命に近づく摩耗故障期間では故障率は高くなる。
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分野 :ストラテジ系
中分類:技術戦略マネジメント
小分類:技術開発戦略の立案
解説
技術のSカーブ(技術進歩のSカーブ)とは、1つの技術進歩の過程を表わす言葉です。技術開発の初期のうちは比較的緩やかに進歩し、ある時期を境に急激に進歩し、やがて技術の限界に近づくと進歩の伸びが停滞気味になります。

縦軸に技術進歩の度合、横軸に投資した費用や期間をとってグラフにすると、描かれる曲線がアルファベットの"S"に似た形状になることからこの名称で呼ばれます。ある技術がこの曲線のどこに位置するかを分析し、今後の技術戦略や資源の配分に活かします。
  • ハイプ曲線の説明です。話題や評判が先行する新技術が実際に普及するまでの間、その期待が時間経過とともに、どのように変化するかを示したものです。
  • 正しい。技術のSカーブの説明です。
  • 経験曲線(エクスペリエンスカーブ)の説明です。同一製品の累積生産量が増えるに従って、単位当たりの総コストが一定の割合で低下していくというパターンを示す曲線です。高値の新技術の製品が徐々に安くなっていくこともこの経験曲線で説明できます。
  • バスタブ曲線の説明です。縦軸に故障率、横軸に時間をとってグラフにすると、曲線がバスタブ(浴槽)のようになることからこのように呼ばれています。

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