平成27年秋期試験問題 午前Ⅰ 問5

クラスタリングシステムで,ノード障害が発生したときに信頼性を向上させる機能のうち,適切なものはどれか。

  • アプリケーションを代替ノードに転送して実行するためのホットプラグ機能が働く。
  • アプリケーションを再び動かすために,代替ノードを再起動する機能が働く。
  • 障害ノードを排除して代替ノードでアプリケーションを実行させるフェールオーバー機能が働く。
  • ノード間の通信が途切れるので,クラスタの再構成を行うフェールバック機能が働く。
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分野 :テクノロジ系
中分類:システム構成要素
小分類:システムの構成
解説
クラスタシステムのうち、高可用性を実現するものを「HA(High Availability)クラスタ」といいます。通常、HAクラスタは正常時に稼働を行う主系と障害発生時に処理を引き継ぐ予備系の二重構成をとることで耐障害性を高めています。

フェールオーバーは、障害発生時に主系から予備系への引き継ぎを自動的、かつ継ぎ目なしに行う機能で、HAクラスタなどの高信頼性が要求されるシステムに実装されています。
このようなシステムでは主系と予備系の間で「ハートビート」と呼ばれる主系の状態を監視するためのパケットが定期的にやり取りされます。予備系はハートビートの受信が途絶えると主系に障害が発生したと判断し、自律的に主系の処理や設定を引き継ぎ、新たな主系として稼働を始めます。このように障害が発生した場合にも利用者に気付かれることなく処理の継続ができることで信頼性が向上します。

したがって適切な記述は「ウ」です。
  • ホットプラグ(ホットスワップ)は、コンピュータの電源が入っている状態で周辺機器の脱着を行える仕組みです。手動でシステムの切り替えを行う場合には停止時間の短縮に寄与します。
  • 再起動が行われると処理の停止時間が生じるため誤りです。HAシステムではすぐに処理が引き継げる状態で予備系を待機させておく必要があります。
  • 正しい。
  • フェールバックは、システム障害時にフェールオーバー機能などにより主系から予備系に引き継がれた処理を、障害回復後に主系に戻す機能のため障害発生時の信頼性とは無関係です。

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