平成29年春期試験問題 午前Ⅱ 問14

特定の利用者が所有するリソースが,WebサービスA上にある。OAuth2.0において,その利用者の認可の下,WebサービスBからそのリソースへの限定されたアクセスを可能にするときのプロトコルの動作はどれか。

  • WebサービスAが,アクセストークンを発行する。
  • WebサービスAが,利用者のデジタル証明書をWebサービスBに送信する。
  • WebサービスBが,アクセストークンを発行する。
  • WebサービスBが,利用者のデジタル証明書をWebサービスAに送信する。
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分野 :テクノロジ系
中分類:セキュリティ
小分類:セキュリティ実装技術
解説
OAuth2.0は、異なるドメインやプラットフォーム間で、 サードパーティアプリケーションによるHTTPサービスへの限定的なアクセスを可能にするオープンな認可フレームワークです(RFC6749)。

OAuth2.0は、ユーザーの許可をもとにWebサービスがアクセストークンをサードパーティアプリケーションに発行し、アプリケーションがユーザーの代理としてWebサービスにアクセスできる仕組みです。ユーザーの認証情報を直接アプリケーションに渡さなくても、ユーザーの権限を委譲するための安全な方法として利用されます。

OAuth2.0では以下の3種類のロール(役)が登場します。
リソースオーナー(resource owner)
リソースサーバ内の保護された情報へのアクセスを許可するエンドユーザーであり、クライアントの利用者のこと。この設問では利用者Cが該当する
リソースサーバ(resource server)
保護された情報を保持し、Webサービスを提供するアプリケーションのこと。リソースオーナーを認証しクライアントにアクセストークンを発行する認可サーバ(authorization server)の役割を兼ねることが多い。この設問ではWebサービスAが該当する
クライアント(client)
リソースオーナーの認可を得てリソースサーバにアクセスするサードパーティアプリケーションのこと。この設問ではWebサービスBが該当する
この設問におけるOAuth2.0の大まかなフローは次のようになります。
  1. 利用者Cが、WebサービスBにアクセスする
  2. WebサービスBは、利用者CをWebサービスAにリダイレクトし、認証・認可手続きを促す
  3. 利用者Cは、WebサービスAで認証・認可手続きを行う
  4. WebサービスAは、利用者Cからの認証・認可が得られると、WebサービスBに対してアクセストークンを発行する
  5. WebサービスBは、アクセストークンなどを含めたHTTPリクエストをWebサービスAに送信する
  6. WebサービスAは、HTTPリクエストが正当なものであるかを検証し、妥当であればリソースを含むHTTPレスポンスをWebサービスBに返す
OAuth2.0では、リソースサーバからクライアントに対してアクセストークンが発行されます。したがって適切な動作は「ア」です。
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