情報処理安全確保支援士平成30年秋期 午前Ⅰ 問2

問2

コンピュータによる伝票処理システムがある。このシステムは,伝票データをためる待ち行列をもち,M/M/1の待ち行列モデルが適用できるものとする。平均待ち時間がT秒以上となるのは,処理装置の利用率が少なくとも何%以上となったときか。ここで,伝票データをためる待ち行列の特徴は次のとおりである。
  • 伝票データは,ポアソン分布に従って到着する。
  • 伝票データをためる数に制限はない。
  • 1件の伝票データの処理時間は,平均T秒の指数分布に従う。
  • 33
  • 50
  • 67
  • 80
  • [出典]
  • 応用情報技術者
    平成30年秋期 問2と同題

分類

テクノロジ系 » 基礎理論 » 応用数学

正解

解説

M/M/1の詳細な説明については割愛しますが、待ち行列モデルでの平均待ち時間とは、サービス(処理)要求が発生してから、実際にサービス(処理)を受けるまでの時間を指します。

平均待ち時間を求める公式は次のとおりです。

 利用率1-利用率×平均サービス時間

問題文には「1件の伝票データの処理時間は,平均T秒の指数分布に従う」とあり、平均サービス時間はT秒となります。平均待ち時間がT秒以上となる利用率を求めたいので、以下の式で解がT秒以上となる利用率を求めればよいわけです。

 利用率1-利用率×T

式を見ると利用率1-利用率の部分が1以上であれば、平均サービス時間はT秒以上になることがわかるので、利用率をρ(ロー)として方程式を解くと、
 
 ρ/(1-ρ)≧1
 ρ≧1-ρ
 2ρ≧1
 ρ≧0.5

上記から利用率が50%以上であるときに、平均待ち時間がT秒以上となることがわかります。したがって「イ」が正解です。
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